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無力(高・岡)

岡高フェア開催中。いや、偶然岡高ネタが続いただけですが!

このSSはどのEND後とか決めずに書いたので
色々とボロが出そうですが今までの警察関係SSと繋げてでも
切り離してでも妄想できるヨ!(無理矢理お得感を出そうとするな)





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「信じていました」

担架に駆け寄った岡田に、高浦はそう微笑んだ。
岡田は首を振り、眉間に皺を寄せ頭を下げる。

「こんな事になるまで、助けてやれなかった」

「これ以上になる前に助けてくれたじゃないですか」

力無く笑う高浦の体には茶色い毛布がかけられていたが、
右腕だけは出てその上にのせられていた。
白い何かがこびり付いているように見える。

「高」

その手をとろうとする前に、担架が救急車へ運ばれてしまった。
部下の1人が付き添い、岡田はその場に残った。
高浦と、人質達の乗せられた救急車が学校を出ていくのを
岡田は暫く呆然と見送っていた。


違う


とろうと思えばとれた。
しかし、岡田はその手をとれなかった。

視線が自分から逸れた瞬間の、
彼の酷く冷めた瞳を見てしまったから。

解っていた。
あの言葉は、彼の気休めだ。自分達への気遣いだ。
いや、もしかすると、高浦は自身に言い聞かせていたのかもしれない。


自分達警察は、結局何もできなかったのだ。


彼は解っていた。
自らが警察の人間であるからこそ、あの時警察がどう動いていて、
そして何故人質達を助けることができなかったのか。

大丈夫、信じていると人質達を元気付けながら、
警察の無力さを一番感じていたのは誰だったのか。


「警部、ちょっとよろしいですかー」

「ああ」


今更だ。
今更、もう遅い。


高浦の手をとることはできない。



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誤解から生じた、おかしな感情。


高浦視点を無くしたら伝わりにくくなっちゃった・・かな。

2006.11.28 | Comments(0) | SS

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