正義の仮面(後)
昨日の続き。突然えろなので気をつけてw
画像はSSとは何の関係もない、アンソロのはっちゃんです。
やっと1ページ目だよ・・色塗ってからグレースケールにしてるから、
ぶっちゃけフルカラーだよwwがんばります。
じゃあ早くー!
---------------------------
『ぐっ、んぷっ・・・あ、ぁあっ!』
聞き覚えのある声に、一宮と二村が強張った。
小さな画面に映る高浦は、それは嬉しそうに少年の性器を舐め、
尻を犯され身悶えていた。高浦の横にも同じ事をしている者達が居たが
3人には変わり果ててしまった仲間の姿しか目に映らなかった。
「うわ、あ・・・あああ!」
二村が首を横に振りながら後ずさる。机が足に当たり、よろけた。
「・・・・・・あの後にも・・撮影されているものがあって・・・
人質達は、オレ達がした以上の事を強要されていた・・・・
地獄の、ような・・・こんな行為が、校舎の壁を隔てた向こうで
行われていたなんて、嘘みたいな事が起こってた・・・」
「最初から全部、見たのか?」
「最初はオレ達に会いに外へ向かうところからだった」
「そんな事聞いてるんじゃない!何で!何でこんなもの!!」
「あ・・・」
沈んだ顔でブラウン管を見つめる。
数秒してからぎゅっと目を瞑り、顔を上げた三島の目からは
大量の涙が流れ出していた。
「ああ、あ・・・だって・・・」
「オレは、あの高浦をもう一度見たいって思ってしまったんだっ!!」
「オレは興奮してたんだ!!あの高浦の姿にっ・・でも、高浦は・・・っ」
「この、前の映像、ではっ・・高浦はまだ正気だった!!
狂った他の人質達の肩を揺すったり、青田を怒りに満ちた表情で睨んだり!!
こんなっ・・ずっとこんな嬉しそうな表情だったわけじゃないんだ・・・!」
堰を切ったように叫ぶ三島に、一宮は唖然とした。
いつも穏やかで優しく、冷静な仕事をする三島がこんなに取り乱すなんて。
それだけ悲惨な映像が、これまでにもあったのだろうか。
二村だって、この数分の映像だけで顔を青ざめている。
『あの』
突然の声に、3人の視線がテレビへ集中する。
高浦の横で、青黒い髪の男を犯していた、眼鏡をかけた華奢な少年が
カメラに向かって話しかけていた。
『なあに?』
『この映像って、誰か見るんでしょうか』
『・・・そんなの知らないよ。』
それに間の抜けた男の声が聞こえる。撮影者ということは、青田だろうか?
『事件の後に、警察の人が見るかもしれませんね。』
ねえ、刑事さん?と、高浦を見下ろす少年の顔は微笑み、どこか恐ろしかった。
高浦は応えず、手前の少年の性器から口を離し、無言で彼を見上げる。
眼鏡の少年が再びこちらを見る。まるで今映像を見ている自分が見つめられているようで、
思わず鳥肌が立った。間違いなく、恐怖を覚えていた。
「こ、この子は人質の生徒ですよ、ね?
どういうことでしょうか。人質というより、これじゃあまるで・・・っ!」
じっ、と少年はこちらを見つめたまま笑みを浮かべて動かない。
3人は、惹き込まれたように少年の瞳を見つめていた。
目が、離せない。嫌な汗が出てくる。吐き気がする。
怖い どうして
少年が、こちらに手を伸ばす。
『 貴方も 』
ゆっくりと画面外からカメラを撮っている者の手が伸び、
そして映像が途切れた。
テレビには砂嵐が流れ、暗い教室に不快なノイズが響いた。
暫く、その場から動ける者は居なかった。
警察が突入した時、そこに居た全ての人間が全裸で倒れていた。
しかし今思い出してみると、白布に包まれていた彼は
とても穏やかな顔で眠っていたように思う。
後日、事件がようやくひと段落着いた頃。
一宮が雑務を終え、部署を出たのは午後8時だった。
「あ、警部」
出入り口に立つ警官の敬礼にも応えず、俯いたまま歩いてくる岡田に、
違和感を感じた一宮は軽く駆けた。人気の無いロビーに足音が響く。
「警部、お疲れ様です」
「え?ああ・・・一宮」
「昼から見ないと思ったらこんな時間まで、何か調査ですか?」
「あ・・・いや」
「そうだ、そういえば、今日は高浦の見舞に行くって言ってましたっけ」
あれから、高浦の事を考えない訳ではなかった。
しかし日が経つにつれ高浦を見ない日が続くと、自然とあの時の記憶が
まるで悪い夢だったように思えてくる。
記憶の中に居る高浦の姿は、いつものように、元気良く仕事をしていた。
「た・・高浦?」
「ええ。高浦どうでしたか?元気でした?いつ頃復帰できそうですか?」
「・・・・・・・・」
急に視線をうろうろさせ、動揺し出した岡田に首を傾げる。
高浦の様態は芳しくないのだろうか。
「岡田・・警部?」
「あ」
まるで今一宮に気付いたように、はっとする岡田に
さらに疑問を抱いた。明らかに様子がおかしい。
「高浦の様子です。お見舞いに、行ったんでしょう?」
「あ、ああ・・・行った。元気だったよ。明後日には退院できるそうだ。
復帰はもう少し後になるだろうがー・・・」
「じゃあ、寮には戻ってくるんですね。・・・警部、どうしたんですか?
浮かない顔ですが、嬉しくないんですか?」
「そんなわけないだろう。じゃ、じゃあ、まだ仕事が残っているから・・・」
「あ、はい、お疲れ様です」
そそくさと逃げるように去って行く岡田に、
高浦に何かあったのではないかという考えがよぎる。
その時思い浮かんだのは、あの事件の時の、最後に見た高浦の姿で。
「・・・・・っ、くそ」
頭を振って、忌まわしい映像を振り払う。
ああ、そういえばあのビデオはどうしただろう。
あのまま、結局・・・・・
事件はまだ 終わっていない。
-------------------------------
「いつもの笑顔で。」とちょっと繋がってたり。
3→高浦です。つかもう殆どオリジナルだよ!
「終わっていない」って言ってますがお話的にはおわりましたよ。
うん・・・多分!w
2006.09.21 | Comments(0) | SS