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正義の仮面(前)

部下1・2・3のお話。くらいよ長いよ読みにくいよー。
うちでの部下についてはこの記事と、123だけイメージ絵かいてみました。
ご自分の部下の想像図がある方は、絵は見ないほうがいいです;

書きたい事書きたい時に書けるだけ!!




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「これは・・・酷い、な」


惨劇が行われた教室。
犯人は連行され、人質達は死亡した1人を除き全員病院へと運ばれた。
突入隊が教室を出た後、現場の見分を任された
一宮、二村、三島の3名の刑事と数名の警察官が部屋に入ると、
そこに充満する血と精液と小便の混じった臭いに顔を顰めた。

あちらこちらに白濁した液体が飛び散っている教室に、
昨晩自分達に散々犯され高浦が立ち去った後
黒いコンクリートにやけに鮮やかに映える、もう誰のものとも解らない
精液を思い出した。皆何も言わずに、暫くそれを見つめていた。

しかしそんなものとは比べ物にならない程の量の液体に、
自分達の対応がどれだけ遅かったのか思い知らされる。
あんな行為を、高浦は・・人質達は、一晩中強いられていたのだろう。


「・・・あ、それでは、それぞれの仕事を始めて下さい」

この中では一番上である三島が指示を出すと、
警察官達はのろのろと動き始めた。気が進まないのは当たり前だ。
手袋をはめながら辺りを見渡す。

「なんで高校の教室に、トロフィーやなわとびが転がってるんでしょうかね」
二村が足元に落ちていたトロフィーを拾い上げると、一宮が
「あんな事する犯人だ。だいたい察しはつくだろ」
と言い、想像した二村は「うっ」と小さく呻いてから、元の場所に置いた。

「あの・・・あれって・・・」

三島の声に2人が振り向くと、教室の隅に備え付けられたテレビに
デジカメが繋がれていた。そのカメラには、皆見覚えがあった。

「・・・・・これ、やっぱり・・鑑識に回さないといけないの、かな・・・」
「!!」
「そりゃあ・・そうなんでしょうね・・・」

3人は、今は何も映し出してないビデオカメラを見つめたまま黙りこくった。
見識に回せば、あの場に居なかった者達にもあの行為を見られるのだろう。
あの場に居た警察官達なら、そうしなければいけなかった状況が解るからまだいいかもしれない。
しかし、何も知らない奴らがあれを見たらなんて、考えるだけでも恐ろしかった。

「嫌、だ・・・」
「え?」
「俺は・・高浦に、あんな事してる所をこれ以上誰かに見られるなんて、嫌だ!
 しかもそれが、物としてずっと残っているなんて・・・耐えられない。」
「一宮さん」

一宮が喉から搾り出したような声で呟く。

二村は時々、一宮に呆れる事があった。時折自己中心的な所があるからだ。
それさえ無ければ二村にとって良い先輩なので、もちろん一宮が嫌いという訳ではない。
彼のそういった発言は今までだって何度もあるので、いつもなら「またかですか」と
適当に流して終わりなのだが。

「一宮さん、それは、自分のプライドの問題で言っているんですか?
 高浦さんのためじゃあなくて。」
「・・・・・・・・すまない。」
「確かに今のは無かったけどね。でも、一宮の気持ちが解らない訳ではないよ。
 オレだって、自分の仲間に輪姦して、その上・・悦がっている姿なんて見られたくない」
「それは・・・自分だってそうですけど・・・・」

自らそれを望んでいた訳では無いとしても、自分達は確かに、
同僚の尻に猛った自分を挿入し、好き勝手に揺さ振って射精した。
罪悪感や責任感でいっぱいだったとはいえ、その瞬間自分達は確かに快感を得ていた。

「あの場に居た何人が高浦を犯したか、俺は覚えていない。
 でも、その全員が、それを見られるのを望んでいないというのは解る」
「で、でも、事件に関わった物品は全て鑑識に回すのがー・・!」
「二村の言うとおりだよ。」

言いながら、三島はテレビから、ビデオカメラのコードを丁寧に引き抜いた。

「これはオレが鑑識に持っていくよ。いいね?」
「―――・・・」

一宮と二村が黙って頷く。
三島はビニールにビデオカメラを包むと、何も言わずに教室を出て行った。




時計の短針が真下を指す頃、召集がかかった。
今日の所は一先ず警察に戻って報告と、事件の内容と
今後の行動についてもう一度話し合わなければならない。

「気分の悪くなる現場だったな・・・」
「3階の教室が特に酷かった・・・異臭もだが、それ以上に・・・」

警察官達がぼやきながらぐったりと、しかし足早に車に乗り込んでゆく。
夕焼け空が暗くなり始めていた。

「・・・あれ?」

一宮が声をあげると、二村が覗き込む。

「どうしたんですか?」
「三島がいない」
「三島さん?-・・そういえば、あれ以来見えないですね。
 先に署に戻って、あれを鑑識に持って行ったんじゃないですか?」

他の警察官に聞いても、見ていないという。
ずっと外に居た者に聞いても、先に帰った訳では無いらしかった。
2人は背中にある校舎を振り返った。窓に夕日が反射している。
嫌な予感がした。

「ー・・・行ってみるか」
「はい」

夕日で赤く染まった暗い廊下を歩く。足音がやけに大きく響いた。
警察官達は皆引き払ったらしく人気は無い。

ひたすら歩いていると、ある教室から、音がした気がした。
そっと近付き後ろの入り口のガラス窓から中を覗く。
そこには電気もつけず、じっと座っている三島と
裸の人間が絡み合う映像が映し出されたテレビがあった。
間違いない、それは

「三島!!何してるんだ!!」

突然開かれた扉に、三島の体がビクリと跳ねる。
そして、眉を寄せ、今にも泣き出しそうな表情でゆっくりと振り返った。
夕日に照らされても、その顔色はとても悪いように見えた。

「お前、何見てるんだ!」
「あ・・・」
「三島さん、それ・・・ッ!!」

やはりテレビにはあのビデオカメラが繋がれていて、
しかしテレビ画面に映っていたのは自分達では無かった。
裸の人質達が、互いを貪り合う姿。
その中には高浦の姿もあった。
皆焦点の狂った瞳で、只々互いの肉だけを求め合っていた。


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続きます。警察の行動に色々と違和感があるけれども気にしない!
しかし、いっつもソドムキングED・・・すまんアナ。

2006.09.20 | Comments(0) | SS

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