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弟・後(双子)

本当にダラダラw
そういえば昔とん●るずの「生でダラダラいかせて」って番組が大好きでしたが(パチンコになってから見なくなったけども)これってものすごいエロいタイトルだね。トレジャーハンティングとか心霊写真とかのコーナーが好きだったんですよ。どうでもいいですね。


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「ずいぶん、歩み寄れたようですわね。」
「ええ・・・はい、まあ」
「毎日貴方のことばかり」

この日記の出だし通り、自分を軽蔑し嫌っていた一味が
自分の事を「お兄さん」と読んでくれるまでに至った心持を知り嬉しいのと、
監視官及び目の前の医者にこの日記を通して
自分達兄弟の一部始終を知られてしまったかと思うと、恥ずかしさでいっぱいになる。

一味は多重人格の治療の為、この医者から毎日日記を書くように言われている。
それを、監視官を通して毎日やり取りしているらしいのだが・・・

「(一味め、こんなところまで事細かく書きやがって)」

「ごめんなさいね。一味さんには、どんな些細な事でも良いので心境の変化を
 事細かく書いてくださいと頼んでいるので。」

まるで心を読まれたかのようで、青田は少々驚いた後、
いかにも不快という表情を見せる。中年の女性でありながら
どこか逞しい印象の医者は、青田に睨まれても平然と笑っていた。


「今日お兄さんに来て頂いたのは他でも有りません。
 一味さんについてです。どうですか?
 この3週間刑務所で彼と会う中で、彼の症状について何か気になる事は。」

「・・・・・一味が別の人格になったのは、この3週間で4回くらいだ。
 別に誰かに危害を加えている訳でもないし、迷惑をかける訳でもない。
 俺についての記憶が無い、教師をしていた一味と、5歳の時のままの一味・・・」

「そうですね。刑務所で出てきているのはその2人だけですね。」

「・・・なあ、お医者さん。一味はー・・・」

眉間に深く皺を寄せ、顔に影を落とす。

「あのままでもいいんじゃないか?」

「・・・・・」

「あいつは病気じゃないし、誰かに迷惑をかける訳でもない。
 俺が居ればアイツは大丈夫だ・・俺が一生側についていてやれば」

「お忘れですかお兄さん。
 一味さんの中に居るのは、あの2人だけではありません。
 人を2人も殺し、3人の少年の精神を崩壊直前まで貶めた
 あの人格も居ます。もしかしたらそれ以外にも。」

「そっ、それなら、そいつだけ消せばいいだろう!
 悪い人格だけ消せばいい!!」

「人格を”消す”というのは無理なんですよ。交代人格が、ちゃんと理解して
 主人格に取り込まれる形にならなければいけない。
 それにー・・貴方が残せば良いと言う2人の一味さんも、共存は望んでいません。
 共存という道も、彼らには良い道とは言えないわ。」

更に食い下がる青田に医者は次々と容赦ない言葉を浴びせる。


「22年前の事件以前の記憶を無くし成長した27歳の一味さんと、
 その当時のまま成長はしないけれど、この22年間を、一味さんの視点を通して
 ずっと見守り続けてきた5歳の一味君。
 そして、度々一味さんの思考を押し遣り出てくる、過激な行動を取る一味さん・・
 今までの解離性同一性障害の例と違うのは、全ての人格が自分を一味だと言い、
 全ての交代人格が自分を主人格だと言っている、という事です。」


心臓が、ゴトリと動いた。


  普通って何?
  ずっと人形遊びをしてる気分だったよ。
  おれはもうずっとおかしいんだ



青田の脳裏に、あの時の一味の言葉が再生される。


「だから、主人格に別人格を取り込むにしても、
 別人格に自分を”別人格だ”と認識させる必要があります。
 今回の症状だと、どれが別人格なのかを特定するのが難しくー・・」

「だから、治せないって!?
 治せよ!アンタ医者だろう!!」

「落ち着いてくださいお兄さん。
 申し訳有りません、確かに、貴方の仰る通りですわ。
 それと、今回わざわざお越しいただいたのはもう1つ、
 昨日の・・これを見て頂きたいと思いまして。」



○月¥日


病院に行ったらニセモノが消えるよ

俺はその方がいいけどね



「これは5歳の一味君ではない・・過激な一味さんか、
 もしくはまだ知られていない人格なのかもしれません。」

「あ・・・」

「私は怖いんです。このまま治療を続行して、
 人格が1つに統合された時、残るのは誰なのか。」
 

  ずっと人形遊びをしてる気分だったよ。


「私は警察から、先ほどお兄さんが言ったように、「殺人鬼の人格を消してくれ」
 と依頼を受けたのですが・・殺人鬼の人格だけ残ってしまったら、困りますよね」

「・・・・・・・一味を・・・・助けてくれ」

「お兄さん。」


「その人格も、一味さんなんですよ。」




部屋を出る頃には、俺はすっかり憔悴しきっていた。


「あ」

「一味・・・」

「お、お、お兄、さん?」

眉毛をハの字にして、困ったようにそう言う一味は
やはりどこか微笑ましいものがある。


「なんで、貴方がここに居るんですか?」

「・・・お前の事について、医者と話をしていた」

「そ、そうですか・・・」

「一味」


一味の肩に触れれば、ビクリと怯える。
まるで他人に触れられたときの俺のように


俺は一味なら平気なのに。


「大丈夫。俺も協力するから・・・」

「・・・・・」

「一緒に、治そうな」



  治るって何を治すの?

  僕は病気なの? あいつらのせいなの?

  また人形でも動かしていれば治るの?




「――― はい。」


今までに無い優しい笑顔でそう返した一味の顔は、
涙で滲んだ青田の瞳には捕らえられなかった。



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本来は主人格は、生活するにおいて一番出てきている時間が長い人格を(たとえそれが本当の人格じゃなかったとしても)置くらしいですが、それ知ったのこの話の大筋考えた後だったんでもう後の祭りです。なのでやっぱりそーいうの無視の方向d(撲殺)

双子大好きですよ・・・!
特に点野先生がもう、だっっっいすきですよ・・・・!!!!!

2007.01.11 | Comments(0) | SS

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