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終・バレンタイン(高・2)

バレンタイン中には無理でしたが、バレンタイン終わった後の話なのでまあぴったりということで・・・!高浦さんと部下2の話。ラブはありません。いや、あるのか?



というか、この高浦さん高浦さんじゃねーわwwアホみたいにハイテンションです。というかSAKKYの妄想大爆発です。いつものことか。

エロもホモもなく健全ではございますが、ご注意ください!
あと部下2って一応オリキャラになるのか!?オリキャラ注意です!
しかもぐだぐだ長いよ!とにかく注意です!


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「たっかうっらさん!お疲れっす!」

「あ、ああ・・・」


2月15日午前0時30分。
署から帰った二村は独身寮のロビーで見慣れた背中に気付いた。
風呂上りなのかスウェットを着た彼の髪の毛は濡れていて、
名を呼びながら肩を叩くと、短い毛の先からぽたりと雫が落ちる。

だが、そんなことより。

振り向いた高浦の表情は、ひどく鬱蒼としていた。


「うわっ!ど、どうしたんですか」

「いや・・ハハ・・・・」

「そういえば高浦さん、今日ずっと外に出ずっぱりでしたよね。
 どっか体調でも崩したんですか?調査が思ったより進まないとか。」

「いや。そうじゃないんだ。今やってる件は順調だし、
 体調を崩したわけでもない。大丈夫だ、ありがとう」

「ならいいんですけど。じゃあどうしたんです?そんな浮かない顔ー・・・」


そこまで言って、二村ははっとした。
ロビーの壁に掛けられた日めくりカレンダーは、未だめくられず、
日付が変わる前のままで残っている。
2月14日。


「あーーーーーーー・・・・・・・」

「・・・・・・・二村」

「あああーーーーーー・・・・・・」

「そんな目で俺を見るなあーー!!」

「ああっはははあああ~~~~~~~~~」


なにかに気が付き、口を阿呆みたいに開けたまま頷いていた二村の表情が、
哀れむような、しかしニヤニヤとした顔つきに変わっていくと、
顔を伏せていた高浦がたまらず叫んだ。


「へええ~~、高浦さんってそういうの気にするんですねー!
 なんていうか、そういうイベント事ってあんまり気にしないと思ってました!」

「き、気にするだろう、男なら・・」

「僕ちゃんと貰えましたよー、公安の女の子3人と、経理のおばちゃんと、二課の人からも。
 一課って男ばっかですもんねー。こういう事でも無いと女の子来ませんからね!」

「5個も貰ったのか。凄いな」

「でもほら、全部義理チョコですよ。高浦さんだって外出てなきゃ貰えましたよー。」

「・・・・・・・フ」

「ん?」


突然、高浦がらしくない憂いを帯びた表情を見せるので、
本気で凹ましてしまったのかと焦る。二村としては、フォローしたつもりなのだが。


「高浦さん・・・?」

「義理、か。そうだな。二村、義理でも、ホワイトデーにはお返しするものだろう。」

「そうですね。まあ飴くらいはあげますかね。」

「そう、お返しだよ。」

「???」


「俺は、お返しが作りたいんだ!!」


拳を握り、男らしく、何を叫んだかと思えば。
あっけにとられる二村を背に、切々と語る高浦。
誰だコレは。まるで高浦さんらしくない!
いや、何かを語る姿勢は高浦さんらしいが、その内容が。


「二村は知らなかったかな。実は俺、料理するの好きなんだ。」

「はあ」 そうだったのか。確かに自炊自炊言ってた気がする。

「まあお菓子に栄養はあまり関係ないかもしれないけど、味とか、形とか、
 貰ってくれる人の事を考えながら作るのが楽しくて、特にバレンタインのお返しに
 作ったお菓子をあげた時の女性の嬉しそうな表情とか、凄く可愛くて、俺も嬉しいんだ!」

「はあ」 すごい。高浦さんが女の子について?熱弁している。

「それで・・・俺は過去、よく勘違いして、バレンタインに
 手作りチョコをくれた子に惚れてしまったりもした。」

「・・・・・」 単純だ。

「学生の時って、ほら、あまり義理とか・・そういうのってわからないじゃないか。」

「え、そうですかね」 正直わかると思う。

「だから、ちょっと、「あれ?もしかしてこの子俺の事好きなのかな?」って思うと、
 その子の事だんだん気になって、自分も好きになってしまったりするじゃないか。」

「あーまあその気持ちは解らないでもないです」

「だから、ホワイトデーになると、その女の子が喜んでくれる姿を想像しながら、
 心をこめてお返しを作ったりする。もちろん、他にもチョコをくれた子の分も作るが。」

「だから何でそこで手作りのお返しを作るっていう」

「それで、朝一番にその子にお返しを渡す。
 その子が中を見る。すっごく、すっごく嬉しそうな顔をする。
 それを見て、さっきも言ったが、俺もすごく嬉しくなるんだ。」

「あー微笑ましいですねー」

「でも」

「でも?」

「「ありがとう高浦君!」と、それだけで、終わってしまうんだ。」

「はあ、それはガッカリですね。高浦さんとしては、何かしらアクションが欲しいところですよね。」

「ああ。しかもホワイトデーは、俺の誕生日なんだ。だからその後に、
 「お誕生日おめでとう」とか、あわよくば告白なんかもあるかなーと、
 ちょっとドキドキしながら待ったりもするんだ。」

「でも、そこで終わるんですね。」

「ああ。何もなく終わるんだ。」

「結局その恋はどうなるんですか?」

「・・・・・・・卒業の時に告白したんだが・・・・・・・」

「その様子だとフラレたんですね。」


小、中、高と、同じ失敗を繰り返したらしい高浦さんは遠い目をしていた。
時計を見ればもう1時。俺はなんでこんな寒いロビーで、
高浦さんの儚い学生時代の恋の思い出を聞いているんだろう。
あくびをする俺に気付いた高浦さんは、すまなそうに頭を掻いた。


「で、結局今年はチョコも貰えず、お返しを作る楽しみも無いので、
 こうして落ち込んでいる、と。確かに俺らしくないな。」

「ハハ、でも、意外で面白かったですよ。」

「こんな話につき合わせてすまなかったな。
 早く貰ったチョコレート食べたかっただろ?
 もしかしたら1つくらい本命があるかもしれないぞ。」

「だったら嬉しいんですけどね」

「ああ、もうこんな時間だ」


ようやく椅子から立ち上がり、大きく伸びをしてから高浦さんの表情は、
すっかりいつものように明るくなっていた。部屋へと向かおうとする背中を見ながら
ふとある事を思いついて、呼び止める。


「高浦さん。誰かのために料理を作るのが好きなら」

「え?」

「課のみんなに、何か作ってきてくださいよ。
 お菓子はあんまり喜ばれないかもしれないけど、何か。ホワイトデーにでも!」

「ホワイトデー?男が男にか?」


からかうと、困ったように笑う高浦さんの反応が面白くて、
「意外と喜ぶかもしれませんよ~?」と言えば、さらに困ったように頭を抱えた。


「ま、まあ、喜ぶかどうかは別として、そうだな。今度何か差し入れでも作るか。
 でもホワイトデーは・・さすがに、自分の誕生日に自分で料理作るのは寂しいな」

「じゃあ一課のみんなでパーティーでもしましょうか?」

「ああ、そうしてくれ」


人好きのする笑顔でそう言うと、「じゃあな」と手を振って、階段の向こうに消えていった。
きっと高浦さんは、「パーティー」の事は本気にしていないと思う。だが俺は本気だった。
あの事件以来、俺は結構、仲間達の雰囲気を良くしようと人一倍頑張っているつもりである。
半年以上過ぎた今、皆もう殆ど事件前のように接しているとはいえ、
やはり一部の人たちの間には、ドドメ色なぎこちなさが残っているように思える。

「(岡田さんとか三島さんとかは顕著だよな。一宮さんはどうだろ?)」

そこで、このお誕生日パーティーだ。
これぞ、我が捜査一課のわだかまりを一掃し、更に親睦を深めるチャンス!
俺はやるぞ!頑張るぞ!!


二村はドラマのような、仲良しな警察の仲間達に憧れていた。
彼の取り除こうというわだかまりというのが、彼の思っているようなものとは微妙に違う、
ドドメ色どころかピンク色のものだという事に気付く日は、きっと永遠に来ないのだろう。
その気遣いが、やはり、びみょーーおに、裏目にでている事も。


高浦の誕生日まで、あと一ヶ月を切っていた。




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TST序章です。
高浦さんは、上司(岡田さん)と同僚&後輩と一般市民の前では、それぞれ喋り方が変わってくると思うので困る!真面目で冷静だけど熱血で猪突猛進って、キャラ掴みにくいにもほどがある!でも、好きです!!!!(黙って)

2007.02.15 | Comments(0) | お誕生日

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