新年(刑事達)
4時。眠れないのでSSかいてみる。
刑事達です。岡高風味
------------------------------------------------
「僕はジャニーズライブがいいです」
二村の意見は、沈黙にて却下された。
「昔は電波少年とかやってたんだけどなー」
一宮の言葉に、三島もああ、ああと懐かしむ。
テーブルの上には空の年越しカップそばが5つ。
公安の方は初詣の交通整備とかで大変なんだろうなあとか
そんな事を考えながら、テレビから響く淡々とした男性ナレーターの声に
ぼおっと耳をかたむけていた。
男5人、狭いソファーに身を寄せ合い
小さなストーブとテーブルを囲んで、14インチのテレビを見る。
そういえば、去年もこんな年越しだったかもしれない。
なんとなく散らかったテーブルの上が気になった。
今年最後の食事がカップそば。なんとなく嫌な気分。
高浦がカップを重ね、立ち上る。
「俺、カップ片付けてくる」
「高浦ー、もうすぐ年越しなんだから大人しく座ってろよ」
「そうだぞ。給湯室で一人で年越しとか寂しいだろ」
「すぐ隣だぞ。それまでには戻ってくるよ」
「じゃあ、俺も手伝おう。汁が残ってるから、1人で持つのは危ない」
「あ、すいません岡田さん」
小さく会釈をすると、カップの中の汁がちょろりと高浦の手を濡らした。
「独り者ばかり、職場で寂しい年越しだな」
「ははは。まあ誰かここに残っていなきゃいけませんしね」
きちんと残り汁を網に通して流す。
いつものクセか、トレーもきちんと洗ってしまう高浦はやはり時間がかかっていた。
給湯室にカップめんを置きに来るだけなのに、同僚が止めたのも頷ける。
「実家には帰らないのか?」
「あさってには。岡田さんは?」
「私は三が日は仕事だ。4日に、少しだけ帰る。」
「正月くらい、悪さをする奴がいなければいいんですけどね。」
苦笑する高浦の横顔を横目で見やる。
腕の時計の針は、あと1分で0時を指す。
今年が終わる。
「ようやく今年が終わるな」
「ええ」
キュッと冷えた音をたてて蛇口を閉めた。
高浦の手は冷たい水のせいで赤くなっている。
本当に、何も考えずに、岡田の手は高浦の手をとっていた。
「お、岡田さん?」
「・・・あ、いや、冷たそうだと思って。」
「すいません・・・・岡田さんの手も冷えますよ」
「そうだな」
なんとなく離し難い。
自分の熱で、高浦の手にも温もりが戻っていくのが解る。
なんとなく
なんとなく、顔が熱くなっていく。
「高浦」
「いっ今!」
「え」
「今、多分、顔赤いですけど、寒いから、ですから」
「・・・?」
「だから、顔も、冷たくて、赤く・・・・」
ひたすら握られた手を見ていた高浦が、恐る恐る顔を上げる。
ごーん
ごーん
「「あ」」
「し」
「新年あけましておめでとうございます」
「おめでとうございます」
触れ合った手は、いつの間にか握手に変わり
ふかぶかとお辞儀をし合う2人はまるで、
新年の挨拶というよりも、はじめましての挨拶をしているよう。
「今年もよろしくおねがいします」
「こちらこそ、おねがいします」
2人は赤いままの顔をふせたまま、痺れを切らした三島が呼びにくるまで
ひたすらひたすら新年のご挨拶をしていた。
今年は、いい年になりますように!
------------------------------------------------
こんなほのぼの岡高が書きたかった!!!!!
新年から調子がいいぞなんとなく。
ことしもよろしくおねがいします。
もう4時だよ。明日バイトなんだから早く寝ようぜ!
2007.01.01 | Comments(0) | SS