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大人組サンタさん(all)

SS?というには中途半端。

深く考えてはいけません。
いいですか。


深く考えてはいけません!!!



雪の降る夜。
今日は子供達がみんなドキドキしながら眠りに付く、
そう、イブからクリスマスにかけての

大人たちが一番忙しい夜です。


「さぁ、今夜はクリスマス!子供達のところにプレゼントを届けようか」

点野先生と高浦刑事、そしてアナは、それぞれ真っ赤なサンタクロースの格好をして
点野先生のアパートの部屋に集まっていました。

「僕は沼田のところに行くから、大泉さんは姫原、高浦さんは八王子の
 家へプレゼントをとどけに行ってください。」

「わかりました」

「えーーー可愛い女の子のとこならまだしも、あのクソガキかよー!
 やっぱ誰でもいいからデートの約束でもしとくんだったな、くそっ」

「ま、まあまあ大泉さん。」

「だれでもいいから」という大泉の言葉に少しこめかみを動かしつつ、
高浦刑事は笑顔でアナをたしなめました。大人だからです。

「それじゃあ行きましょうか」


3人は牛のソリに乗り、それぞれ子供達の家へと向かったのでした。



★高浦サンタ


「さあ、ここが会長君の家だな」

シャンシャンと鈴の音を響かせ、八王子先輩の家へとやってきた高浦サンタ。
窓から部屋の中を覗くと、八王子先輩はぐっすりと眠りについていました。
窓に手をかけると、すんなりと窓が開きます。
そうです。サンタさんの手はどんなカギでも開けてしまうのです。

「あとはこのプレゼントを枕もとに置いてあげるだけだ」

素敵な柄の包装紙で綺麗にラッピングされたプレゼントを袋から取り出し、牛をどうどうと
落ち着かせてから、「よっ」と軽々窓を飛び越え八王子先輩の部屋に足を踏み入れ

ようとしたその時、まるでビデオを逆再生したかのように、
高浦サンタは窓枠を飛び越えソリへと戻りました。その顔はなぜか真っ青です。

「(し、しまった・・・これは立派な不法侵入じゃないか!)」

高浦サンタはおおいに焦りました。まさか刑事である自分が法を犯すわけにはいきません。
かといって、このプレゼントが届かなければ、八王子先輩はとても悲しむでしょう。
すやすやと眠る八王子先輩の顔を見ながら、高浦サンタはうんうん悩みました。

「しょうがない・・・」



★アナサンタ

「あーうぜーなー。なんだってこいつの家はこんなにでかいんだよ!
 まあ、うちよりはちょっと、ちいせぇけどな」

誰も聞いていないのに大見得を貼りながら、アナサンタは夜の姫原家を大闊歩していました。
そうです。サンタさんの前にはどんなセキュリティシステムも通用しないのです。

の、はずなのですが。

ガシャーーーーン!!!!!

「うおっ!?何だコレ!?」

頭上から鉄格子が落ちてきて閉じ込められたかと思うと、
辺りにアラームがけたたましく鳴り響きました。

「くっそーオレ様としたことが・・・ん?」

すると、バタバタと遠くから走る足音が聞こえてきました。
アナがもうだめかと思ったその時、曲がり角から出てきたのは


「沼田っ!!?」


「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「誰だよお前」
「おおおお前が誰だよ」

そこに現れたのは姫原君でしたが、いつもの姫原君ではありませんでした。
期待に胸膨らませ、辺りには花が散り、瞳を爛々と輝かせた高校男子がそこにはいました。
しかしアナサンタの顔を見た瞬間、彼はがっくりと肩を落としました。
こんなの姫原君ではありません。アナサンタは怯えました。
ですが、姫原君はさっときびすを返すと

「・・・・・・チッ。なんだアホか」

「何だとは何だ俺じゃ不満だってのかてめぇえええ!!!」

いつものツンツンな姫原君に戻りました。
アナサンタは心のどこかでホッとしつつも、見当違いな文句を叫び、
黒服の怖いお兄さん達に連れて行かれてしまいました。



★点野サンタ

「沼田の家は、ご両親はお留守なのかな・・・?」

忍び足するたびにギシギシと小さく音を立てる廊下に怯えつつも、
点野サンタはきょろきょろと周りを見渡しました。

「沼田はクリスマスに一人きりだったのか・・寂しいなあ。
 いや、きっと、今まで友達と遊んだりしていたんだろう。」

点野サンタが気を取り直し、階段に足をかけたその時


「痛っ!!?」










次の日の朝。


「おはよう、姫原!先輩!」

「おはよう沼田」

「・・・・・・おはよう」

「2人とも、サンタさんからプレゼント貰いました?」

「はぁ?お前高校生にもなってサンタなんて信じてんのかよ。」

「う・・・・ごめん」

「そんな言い方はないだろう。僕はもらったよ、沼田」

「え、何だったんですか、先輩」

「・・・・・・・・・・」

「いやあ、それが・・星の本だったんだが」

「わあ、いいですねえ!」

「うん、でも・・・なんか外においてあってね・・・
 雪解け水で、ぐちょぐちょになっていたんだ・・・・」

「・・・・・・あ・・・・そ、そうだったんですか・・・・
 なんか・・・・すいません変な事聞いちゃって」

「いや、いいんだ。沼田が悪いんじゃない。」

「ひ、姫原は何かもらわなかったの?」

「・・・・・別に。なんか泥棒が入ってきた」

「ええ!大変だったねえ、何も盗られなかったの?」

「・・・・別にお前に心配してもらう必要ねぇよ」

「あ、そうだよね、ごめん・・・・」


「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」


姫原君は心の中で、自分の頭を100回殴りました。
沼田の顔が妙にツヤツヤしている件に関しては、2人は触れませんでした。
今日も、「ああ、沼田は相変わらず可愛いなあ」と、思っていたからでした。



同時刻、A県警察

「岡田さん・・・サンタクロースって、不法侵入の常習犯だったんですね・・・」

「・・・何を言っているんだ?」


同時刻、比留テレビ。

「おーい大泉!今ドコいんだよ!夕方のニュースの打ち合わせ始まるぞ?」

『あの・・ごめんだけど、うちの親に連絡してくんないかなあ・・・』

「はあ?」


同時刻、刑務所

「青田さん、昨日は身代わりになって頂いてありがとうございました。」

「いや、まあそれはいいんだが・・折角脱獄できたのになんで戻ってきたんだ?
 (というかどうやって脱獄したんだ?)」

「そ、それは、もちろん、お、お兄さん一人ここには置いていけませんから・・・。」

「一味・・・・!」




あの事件から6ヶ月。
一年に一度、楽しいクリスマスの、ちょっとした出来事。



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クリスマスすぎちゃったけどクリスマスネタでした。
文にしたらやっぱダラダラしすぎた感が・・・;!
とにもかくにも、あの事件から半年過ぎようとしていますが
わたしはまだまだマスカレードにZOKKONです!!

それでは今宵はこのへんでー!

2006.12.25 | Comments(0) | SS

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