一線 (双子)
原稿ちゃんと送りました!明日の午前には届くはず!はず!!
というわけで、ハイテンションの中突然思いついた双子小説です。
「弟」の続きです。相変わらず暗いよー!
2人が2人きりになれているのは、お兄ちゃんが一味の精神安定剤として、警察の人が刑務所の仕事中や自由時間でも、2人だけで会うのを許しているからだと思ってくださいwwご都合主義バンザイ!!
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ほんの些細な事で、少しずつ歩み寄っていた一味の心は
再び俺から、離れてしまった。
「い、一味」
「・・・・・・・・」
治療から帰ってきた一味を捕まえようとすると、
まるで汚いものでも見るかのような、
いや、どちらかというと酷く怯えたその表情に俺は焦った。
一味にだけは拒絶されたくなかった。
「一味、さっきはー・・」
「もう、気にしていませんから。青田さんは仕事へ戻ってください。」
「本当に悪かった。もう誰も殴ったりしない。約束する!」
「一体何度目なんですか。貴方は本当に口だけの人だ。」
「そんな・・・・違う・・・・」
「看守さんに治療から戻った事を伝えに行かなければいけないので」
聞く耳を持たずに、看守の元へ行こうとする一味の腕を慌てて掴む。
思わず力が入ってしまった。一味が顔を顰める。
「あ、わ、悪い」
「いえ・・・・」
「なあ、一味。本当にあれで最後だから・・・」
「解りましたから、青田さんは早く―」
「・・・・・・・・一味」
心臓がぎゅっと握りつぶされる思いだった。
「兄さんと、呼んでくれないのか?」
「・・・・・・・・」
一味が俺の事を「兄さん」と呼ぶようになってから一ヶ月が過ぎていて、
俺はすっかりそのことに慣れてしまっていたようだった。
そして突然それが途絶え、思った以上にショックを受けてしまった。
それは顔にも出ていたようで、先ほどまで吊り上がっていた一味の眉が
いつものような困ったようなそれになる。
「い、今は、そんな気分ではないんです。」
「・・・また呼んでくれるか」
「・・・・・・」
自分でも驚く程にしつこかった。こんなに食い下がったのは初めてかもしれない。
きっとそれは、相手が一味だからだ。
自分が信じられる、心を許せる唯一の存在が
自分から離れていこうとしているのが、怖いんだ。
俺は焦っていた。一味が離れていくのが怖い。
折角歩み寄れたのに
ようやく戻れると思ったのに
「俺、行きますね」
「一味!!」
腕を引き寄せ、腰に手を回し
後頭部を手で押さえ
「・・・・・っ・・・・・」
俺は今何をしようとした?
「・・・・・・・」
「あ・・・・一味・・・・・・」
キスをしようとしたのか。一味に。
寸での所で止めたけれど、俺は確かに一味と唇を重ねようとしていた。
今まで、一味からの親愛の証のキスは、けれども唇にされる事は無かった。
これは、親愛ものじゃないのか
違う、もっと、別の
まるで恋人を独占しようとするかのような
「あれえ~?」
「っ!?」
「しないの?キ・ス」
弾かれたように一味から離れると、その表情は先ほどまでのものとは一変し、
ニヤニヤと笑っている。それは一味ではなかった。
「お、お前・・・・一味じゃない」
「何言ってるの、兄ちゃん?一味だよ。兄ちゃんの一味だよ」
「一味じゃない!お前は、お前なんか一味じゃない!!」
「怯えないでよ兄ちゃん。俺悲しいよぉ」
笑いながら近付いてくる一味に、俺は怯え後ずさった。
違う、こいつは「アイツ」だ。あの忌まわしき男だ。
「来るな!どっか行け!!」
「キスしようとしたじゃない。」
「してない!そんな事、するわけがない!!」
「俺にキスしようとしてたでしょう?俺を独占しようとしてたでしょう?
いいよ、俺、兄ちゃんだけのものになってあげる。」
コンクリートがむき出しの壁に背中がぶつかる。
一味の手が頬に触れ、足先から頭の天辺まで、凍るような感覚に陥った。
「・・・・い、嫌だ、嫌だ、嫌だ!」
「兄ちゃん、ねえ、キスしよう。兄ちゃんが俺だけのものっていうキス。」
「嫌だ!お前となんか、誰が!!」
「ねえ」
「キスよりもっと気持ちの良い事も、しちゃおうよ」
おれはにいちゃんにあいつみたいな事したいんじゃない。
ただ、ずっと一緒に居たかっただけなのに――
こいつが、邪魔をするんだ。
居るのは、俺と一味ともう一人の一味だけでいい。
こいつは一味じゃない。一味の中の誰が本物なのかは解らない。
でもこいつだけは一味じゃない。
こいつだけは
「――― 殺して、やる・・・!」
一瞬だけ、男の顔から表情が消えた。
しかし次にはまたあの嫌らしい笑顔を浮かべ
俺の首筋に、顔を埋めた。
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もうこれの続きはかけないかな!w
書くとしたら、「弟」の後の別ストーリーとか。
これはあれだ。バッドエンドルートみたいなもんで・・・(滝汗)!
ビリーミリガンを読んで、多重人格と診断されたら精神病院に入れられて、刑務所には入らず、無罪になることがわかりました。これお兄ちゃんと離れ離れになっちゃうじゃん!!だめじゃん!!
拘留中って事だとつじつまが合うんだろうか。まあ、日本と外国、二次元と三次元は違うという事で^^!(ダメすぎる)
2007.02.08 | Comments(0) | SS