アナ→高浦→岡田(2)
前回の続きですー。
注意書きについては前回を参照してください^^^
絵を描こうと思ったのに、思い通りに26歳高浦さんが描けない。
ショタにばっかりなってしまう・・・
もうあれです。みんなが高浦さん描けばいいんだ。
だって自分の描く高浦さんじゃ萌えないんだもんおうおう!
-----------------------------------------------------
2ヶ月前の話。
『相談に乗ってほしいんです』
街で偶然会った高浦茂は、相当切羽詰まっているようだった。
それこそ高浦の給料何ヶ月ぶんかという程に高いブランド物のスーツの裾は
男の強い力でしっかと握られ皺くちゃになっている。
大泉は、その気になればその手を叩いて払いのけられた
はずなのに
何故かそのまま柄にも無く
男の相談に乗ってしまったのである。
そして、ここから本日の話。
女が帰り、風呂へ向かおうとした大泉を流行の音楽が引き止める。
まだ馴れない着信音に鈍い反応を示し、踵を返して机の上の携帯を手に取れば
そこに表示されていたのは例の「気になる人」の名前で。
「認めねえけど」
誰も聞いていないのに、ぽつりと一人ごちてから
誰も見ていないのに、あえて、わざと、それとなく、のんびりと。
あたかも俺は別に嬉しくなんかありませんという様を装いながら
限りなく素早い手つきで通話ボタンを押す。
「大泉さん、今日、空いてます?」
丁寧な挨拶を終えた後、彼が口にしたのは嬉しいかなお誘いの言葉だった。
「や、ま、空いてるっちゃ空いてるけど」
「よかった!田舎の母親から野菜が沢山届いて。大泉さんにもお裾分けしたいなと」
日頃のお礼に、と付け加えられ、別にお礼なんていいよと言えば
俺が大泉さんにあげたいんです。と返される。
そんな事を言われては悪い気はしない。いや、とてもいい。
「じゃあ、すぐ伺いますね。あっ、ええと、大丈夫でしたか?」
「ん、別に大丈ー・・・」
振り向いて部屋を見渡せば、
昨夜一緒に杯を交わした相手の使用した(真っ赤な口紅の付いた)ワイングラスと
いかにも、というような乱れたシーツ。
彼女の香水なのか、それとも別の何かなのか、甘ったるいような残り香。
「やっぱ2時間後。1時に来て。」
「やっぱり、俺はホモになってしまったんだろうか」
野菜たっぷりのオムライスをつつきながら、高浦が真剣な面持ちで呟いた。
大好きなオムライスとあまり好きではない野菜のコンビに、やや複雑な面持ちで
高浦の手料理を口に運んでいた大泉の顔が、更に渋る。
「そりゃ、"オカダサン"が男なら
その男を好きな高浦さんは、ホモって事になるんじゃないすか」
「そうですよね・・・そうなんだよなあ」
ふっくらとした黄色い卵を、高浦はどこか空ろな表情で見つめる。
しかしその耳は、ほんのりと赤く染まっているように見えた。
「あれまでは、普通に女性が好きだったんです。それに岡田さんの事も、
普通に上司として尊敬していたんですよ。それなのに・・・」
聞いた。聞きました。何十回と聞いた。
「あれ」というのはもちろん、2人が共に経験したあの事件の事であり。
2ヶ月前に相談を持ちかけられてからというもの、大泉はこんな高浦の話を何度も聞かされた。
『警察の同僚には話せません。信用していない訳ではないが、
どこから岡田さんの耳に入るか解らない』
『私が一緒に居れば、嫌でもあの事件の事を思い出させる。申し訳ないと思っています』
『こんな事話せるのは、あの一晩を共に経験した大泉さんの他に無いんです、それに』
『貴方は俺よりもずっと、恋愛経験が豊富でいらっしゃるようだから』
情けなく照れくさそうに、後頭部をかきながら呟く彼の姿は、今でも鮮明に思い出せる。
しかし俺は男と恋愛した事なんて1度もない。
その後高浦の話を聞き、俺はきっぱりとそう言ってやりたかった。
そう、そこで終わらせることもできたのだ。
なにも2ヶ月も、自分には何の得も無い、人の不毛な恋愛相談になど乗る事にもならなかった。
首まで赤くしてひたすら俯き消え入りそうな彼を、どうとも思うことが無ければ。
「あの事件のせいだとは、完全には言い切れないと思うんです」
「なんで。それまでアンタは男にそういった興味は無かったわけだろ?」
「ですが、大泉さんは今まで通りに女性と付き合っているじゃないですか」
あの事件を経験した者が必ずしも男色家になった訳ではない。
ならば、上司の事を好きになってしまった自分には元々その気があったのだろうか、と。
高浦の言わんとしている事はわからないでもないが、大泉はあまり考えようとはしなかった。
高浦としては、以前のように女性に好意を持つという方向に持っていきたいらしい。
ふうん。別にいいんじゃない。どっちでも。
別に俺は、アンタがホモでも普通でも、なんでも良いと思う。
いや、違う。どうでもいい。関係ない。
なんでも良いなんて、それじゃあまるで。
「やっぱり、あれかな・・・」
「えっ、なに?」
高浦の思いつめたような言葉に、大泉の意識が連れ戻される。
すっとんきょうな声は自然と大きくなり、
高浦もその声に弾かれるように大泉の顔を見上げると、かあっと顔を赤くさせた。
「いや、その・・・
事件の前に、女性と経験があったのと無かったのとでは、
その後の性に対する考え方も変わったのかな、と・・・・」
つまり
自分が初めて性行為をしたのは男だったから、男を好きになったのではないか、と。
「ちなみにさあ、高浦さんて、今まで女の子と付き合ったこと」
「恥ずかしながら・・・いつも、その、振られてしまって!」
頭をかきながら、ハハハと無理に大きく笑う声が広いリビングに空しく響く。
「まあ高浦さんて、「お友達でいましょう」って感じだもんなあ。解るわー」
「そ、そうですか?」
「良い人って、たいていそうなるんだよ。俺の経験上」
「喜んでいいんでしょうかね、それって・・・」
「はは」
ため息をつく高浦を見ていると何故かむしょうに面白くなって、
大泉は嬉しそうにオムライスをつついた。
そんな大泉を見て、高浦も眉をハの字にしながらも、笑顔になる。
大泉にとっては大切な時間だった。
これでいいのだ。
夏ももう終わり、近くにある小学校からは久々にチャイムの音が聞こえる。
大きく開かれたベランダの窓から秋の匂いのする風がさらさらと流れ込むのを感じ
2人は同時に「秋ですねえ」と呟くと、顔を見合わせ笑い合った。
-----------------------------------------------------
なんかどんどん自分の描くSSが読みにくくなっている気がします。
アナが高浦さんの恋の相談相手っていうのはずーっと前から頭にあったんだけど
こう話にするのはむずかしいなあ~。でも好きなの。がんばろ!!!
れっどか―ぺっと
私ねー、ゴ―☆ジャス大好きなんだわ・・・
2008.10.22 | Comments(0) | SS