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しげるちゃん




授業開始のチャイムが校舎に響く。
俺はというと一人、もう誰もいない教室で顔を真っ青にして立っていた。
突然ガラリと後ろのドアが開き、驚いて振り返ると
そこには、傍目から見ても恥ずかしいアップリケのついたエプロンを着けた
クラスメイトの高浦がいた。

「はは、材料持って行き忘れてしまって」

照れくさそうにロッカーからビニル袋を引っ張り出す姿は、
いつものしっかり者な印象とは違っていて、なんだか少し愛らしく感じた。

「何してるんですか?もうみんな家庭科室に集まってますよ」
「ご、ごめん・・・材料忘れて」

首をかしげながら寄ってくる高浦に、俺は少し躊躇してから、
一人で抱え込むよりはマシだと泣きそうな声で応える。

「なぁんだ、貴方も取りに来たんですか。じゃあ早くー・・・」
「家に忘れた」
「え?材料何ですか?」
「・・・ルー・・・」
「カレーの調理実習でカレーのルーを忘れた!?はは、貴方らしいな」
「ほっとけ!」

半ば呆れたように笑う高浦に噛み付くようにそう言った俺に、
高浦は口をへの字に曲げエプロンの裾を翻しながら踵を返した。

「じゃあほっときます」

去り行く高浦に恨めしげな視線をおくりながら、
諦めて班のみんなにボッコボコにされ、さらには材料を忘れた日には
鬼のように減点する家庭科教師の怒りの鉄拳を覚悟しため息をつくと、
ふと後ろで紙の箱を開ける音、そしてバキッと何かが割れる音がした。

「これどうぞ」

その声に振り返ると、鼻先に突きつけられたパックからツンとスパイスの良い香。

「これ・・・カレーのルーのパック・・・?」
「俺箱ごと持って来たし、授業は半分しか使いませんから」
「で、でも」
「いいんです。ほら早く行かないと先生に怒られちゃいますよ!」

半ば無理やりパックをエプロンの入った袋に詰め込まれ、
そのまま手を引かれ廊下に出る。高浦の髪のリボンがふわりとなびいた。

「あの、俺、ごめん!」
「何がですか?」
「さっき、その、逆ギレっていうか・・怒鳴って・・・
 その上ルーまでもらっちゃって・・・ありがとう」

だんだんと口ごもっていく俺を見て、また眉間に皺を寄せ、
仕方ないなと呆れているように微笑む。何故か頬が熱くなった。


「2人だけの秘密ですよ?」




高浦茂を落とせるギャルゲを探しています。
エロなくていいから。でもあると嬉しい。
見つけた方はご一報ください^^

でも高浦さんは、同級生にはきっとタメ口だよね。



数分前の私へ:ねえ、これ高浦さんじゃないんじゃない^^^^^?

2008.01.19 | Comments(0) | イラスト

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