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相棒(高・アナ)

挿絵かこうと思ったのですが、
おされなアナのかっこうが思いつかず・・・


えっと、うちのサイトではもうすっかりお友達(or恋人)になっている
アナと高浦さんですが、そのきっかけみたいな。

うだうだ長いですーいつものことか!
長くなったので、クラブで潜入捜査していた高浦さんに
アナが超えかけたり、かまかけて無理やり一緒に捜査したりっていう
くだりをバサーッと省いてしまいました。

そういうくだりがあったと思って読んでください^^^^^だめすぎる


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そこは、港近くの倉庫だった。

無駄に広い敷地には、コンテナや木箱、無数のドラム缶が規則的に並べられている。
電気は着いていない。しかし高窓から差し込む月明かりのおかげで視界は良い。
深く帽子を被り何重にもピアスをつけた、見るからに”イマドキ”風の若い男は、
事前に取引で知らされていた場所に、隠してある物を取りに来ていた。
積み上げられた木箱の隙間からセラミックのトランクを引っ張り出す。

ニヤける頬を隠そうともせず、トランクの蓋を空けると、そこには。


「そこまでだ!田中!!」
「!!」


突然背後のコンテナの陰から、怒声と共に体格の良い青年が飛び出す。
驚いた男はすぐにトランクの蓋を閉め抱え直すと、
青年とは反対方向へと一目散に走り出した。しかしその先には茶髪の青年が。
薄暗くてよく見えないが、どこかで見たことのあるような顔だった。

「おーっと、そうはいかねえぜ!アンタがクラブで話してた内容も、電話も、
 全部このボイスレコーダーに録音させてもらっちゃったからな」

「大泉さん、無駄に挑発しないでください・・・!」


距離を詰める2人の間を男の視線がおろおろと何度も往復し、
遂に男は強行突破を決め込んだのか、出口方向に居た体格の良い男・・高浦の方へと走り出す。
自分の方に向かってきたと解ると高浦は素早く身構えた。


「うおおおおおおおおお!!!どけえぇええええええ!!!!」
「!」

高窓から差し込む月の光に、何かが反射する。
男の手にはナイフが握られていた。

「危ねっ、高浦さん!」

大泉が叫ぶが先か、男が高浦に体当たりするのが先か。
しかし、高浦は男とぶつかる寸前で身を翻すと突き出した右腕を素早く捻り上げ、ナイフを叩き落し
腰を折って崩れた男の背中に膝を乗せ動きを封じて、ポケットから手錠を取り出した。
一連の動きに関心した大泉がひゅうと口笛を鳴らすが、その顔にはまだ緊張感が残っている。


「午前1時42分、薬物取締り法及び銃刀法違反により、逮捕する」


ガシャリと冷たい音が工場に響く。まだ20代前半であろうその男は、
手錠をかけられると直ぐに抵抗する力を失い、何も言わなくなった。



遠くから、パトカーのサイレンが聞こえてくる・・・。




* * * *




「あれ、まだ居たんですか?」


憔悴した高浦が警察署から出てくると、そこには大泉の姿があった。
既に空は白けてきている。空気が澄んでいて、気持ちが良い。


「アンタを待ってたんだよ。まだ居たのかはねーだろ」

「それは、すいません・・・。長いこと怒られてしまって」

「何で犯人逮捕した高浦さんが怒られるんだよ?」

「・・・・単独行動は、禁止されているんです。
 今日は非番だったんですが、私が勝手に単独捜査をしていましたから」


高浦はその暴走癖で何度も失敗をしている。(その分成功も多いとはいえ)
特に例の事件以降、仲間達は高浦の行動について気をつけてきていたはずだった。
それが今回プライベートで捜査をした挙句マスコミ関係者と行動していたなんて。
大目玉であった。1誉められて、9怒られたという具合である。


「ふーん。そういや、刑事ドラマってだいたい2人で行動してるもんな」

「しかも仕事とはいえ刑事があんな所へ行ってたなんて」

「へ?あんな所って、クラブが?刑事ってクラブにも行っちゃいけねぇのかよ」

「いけない、って事は、ないんですけど・・・」

「まあ、アンタはそーいうタイプじゃねえよなあ。格好だってダサくてさ。
 あんなところでちびちびウーロン茶なんて飲んでるから、妙に目立っちまうんだよ。
 ま、そのおかげで俺はアンタに気づいたわけだけど」

「え」

「へへ~、独占スクープ!ありがとうございました!」


ボイスレコーダーを取り出しにやりと笑う大泉の言わんとしている事に、
高浦の疲労で鈍る頭がようやく回転し、大きく目を開かせたのは5秒後だった。
このレコーダーの存在を、すっかり忘れていた!


「なっ、何を言ってるんですか!!」

「別にいーだろこれくらい!
 俺のおかげでクラブでのあいつに関する調査もスムーズにできたんだしさ~、
 話を聞いてたかぎり、あいつの後ろにもまだまだ山ほど何かいるんだろ?
 重要だよなぁ、このテープ。なぁ?」

「調査に関しては感謝してますけど、それは重要すぎます。今すぐ警察に渡してくださいっ!」

「心配しなくても局に持っていった後で、アンタに直接渡してやるよ」


奪い取ろうとするも、高々と持ち上げられてはあとちょっとの所で届かない。
ジャンプして取り上げようとすれば、ひらりと身をかわされた。


「警察が一般市民から無理やり物を取り上げていいんですかぁ~?
 助けてぇ~おまわりさぁん!」


ちなみに、ここはまだ警察署の門の前である。
出入り口に立っていた警察官がこちらを見て、笑っていた。
高浦は大泉の口を押さえると、はははと笑顔で会釈する。
しかし向き直った顔は険しい。


「くっ・・・大泉さん・・・!」

「というわけで、コレは俺の報道デビューへの足掛りに使わせていただきます」

「え?」


そういえば、最近彼の姿をテレビで見ることがなくなった。
あんな事件があったのだから当たり前といったらそうなのだが。
あまり詳しくは無いが確か彼は、家庭の晩御飯を取材するコーナーを持っていた気がする。


「報道・・の、アナウンサーですか?」

「ああ。前からやりたかったんだよね」

「貴方の夢ですか」

「夢ってほどでもねえけどさ・・憧れっつーか・・・」


ぶつぶつと口を尖らせながら、「そんなことお前には関係ないだろ」とそっぽを向いた大泉の耳は赤かった。


「大人になってから自分の夢の話をするのは照れくさいですよね」

「んだよ、笑うなよっ」

「いえ笑ってなんか」


にこにこと微笑む高浦に、顔を真っ赤にして喚く大泉。
おや、形成が逆転したようだ、と、話す内容は聞こえていないのに
門の前に立つ警官まで笑っていた。高浦はこほんと一つ咳払いをすると、
大泉の手元に握られているレコーダーをちらりと見、視線を逸らした。
偉そうに腰に手を当て、胸を張りながら。


「そうですね。もしも貴方が何か事件に関する証拠を持っているのに警察に提出せず、
 そして私もそれに気づかず・・・重要な情報がニュースに流れたとしたら、
 きっと私はまた大目玉なんだろうなあ。貴方はとても褒められるんでしょうけど」

「そ、そりゃあさ、それは悪いとは思うけど」

「でもそれは、もしも貴方が、なにかを隠していた場合の話です。
 そして大泉さんがそれを隠している事に気付かなかったのは私のミスだ。」


「私は何も見ていません」とでも言うように。
わざとらしく明後日の方向を見る高浦の背は上る朝日を浴び、
大泉の目にとても眩しく見えた。
この男は自分が怒られるのも構わず、見て見ぬふりをしようっていうのか。
自分の夢を叶えようとしてくれているのか。

ああ、そういえば。事件の時もそうだった。

(こいつは自分の事なんて省みずに、俺達を助けようとしてくれていたっけ)


「高浦さん・・・」

「早く行ったらどうです。得ダネは新鮮な方がいいんじゃ・・あ、
 いや、私は何も見てませんが・・・ん?」


背中にぽすんと拳を突きつけられる感触。
振り返ると、大泉がボイスレコーダーを握り締め、その手を突き出していた。
その顔は渋々というような、しかし決心したような、なんとも複雑な表情で
大泉は高浦から目を逸らし口を尖らせぶつぶつと早口で話し出す。


「あのさ・・・先に、あんたのとこでコレ確認してきてよ」

「え、でも」

「俺はその後でいい。少し遅れたところで、こんな犯人のナマの声が録ってある
 貴重なテープはコレしかないんだし。あんたがすぐ返してくれればいい。
 ああ、そうだあんた、ケータイ貸して」

「えっ、あ ああ」


何がなんだかわからないまま携帯を差し出すと、大泉が馴れた手つきでボタンを押している。
ぽかんと口を開け見つめる高浦のもとに携帯が戻ってくるまで1分もかからない。


「俺の番号入れといたから。返してくれる時に連絡しろよ」

「はい・・・いや、でも、本当にいいんですか?」

「いいっつってんだろ!いいな絶対返せよ。絶対返せよ!
 言っとくけどコレ振りじゃないぞ。熱湯風呂じゃないんだからな!」


突然の大声に、未だ動揺していた高浦の頭がシャキンとする。
芸能関係に疎い高浦は大泉が一体何を注意しているのか全く意味が解らないが、
携帯と共に握られたボイスレコーダーは、確かに大泉の信頼の証だった。

しかし業界人ではない高浦でも解る。
プライベートでもこんなものを持ち歩いてるなんて、
この男はなかなかどうして、アナウンサーという仕事に熱意を持っているのだ。
その姿勢は職種が違うとはいえ尊敬できる。
尊敬できる人間には、心を開くことができる。


警察官とアナウンサー。

出会いといえばこれ以上は無いという程最悪で
相反すると言ってもいい職業に就く俺達は

もしかすればもしかすると

良い友達になれるのかもしれない。



「ありがとうございます!」

「おう!」



高浦は手の中の物をぎゅうと握り締めると大泉に向き直り
満面の笑みを見せた。大泉もそれに応える。


気持ちの良い、良く晴れた朝の事だった。




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ちょっと刑事ドラマみたいな感じにしてみたか った んだ!
高浦さんはたてこもりとかゆうかい事件の担当っぽいから
薬の密輸してる犯人とかは全く関係なさそうだなあ。

うおーもう5時だよおおおお
まだまだ続いて!お誕生日!!

2008.03.14 | Comments(0) | お誕生日

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